はじめての投資信託
投資信託とは
投資信託は、多くの投資家から集めたお金をまとめて、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する仕組みの金融商品です。運用成果がプラスになれば、投資家は売却して利益を得たり、投資した資金に応じて利益(分配金等)を受け取ることができます。
投資信託の投資先は、国内外の株式、債券、不動産などさまざまです。例えば、国内の東京証券取引所に上場している企業だけでも4,000社近くあり、米国の場合はニューヨーク証券取引所・ナスダック市場合計で5,000社以上です。投資信託は、このような多くの企業の株式などを組み合わせて、ひとつの詰め合わせ商品として作られています。
投資信託の3つのメリット
投資信託には、主に次の3つのメリットがあります。
- メリット1:多くの銘柄に手軽に分散投資できる
- メリット2:少額から始められる
- メリット3:運用を専門家に任せられる
メリット1:多くの銘柄に手軽に分散投資できる
投資信託は多くの株式や債券などを組み合わせた金融商品です。
1人で個別の株式を買い集めようとすると大きな資金が必要ですし、海外の株式を幅広く買おうとすると資金だけでなく情報収集や売買の手続きにも大変な労力がかかります。投資信託を活用すれば、少額から簡単に国内外の株式や債券などに幅広く投資することができます。
この特徴は、購入時だけではなく保有している間にもメリットがあります。
例えば、ある投資信託ではA社を含めて1,000社の株式を購入していたとします。A社はその1,000社の中の1社にすぎないため、もしもA社が破綻してしまったとしてもその投資信託全体としては大きな資産価値の下落にはつながりにくくなります。一方、A社の株式を個別に持っていた場合には、破綻によって大きくその価値が暴落してしまいます。
投資信託が詰め合わせ商品であることにより、個別企業の業績の影響を小さく抑えられるのです。
メリット2:少額から始められる
投資信託は、株式や債券よりも比較的少額から投資できるため、まとまった資金がなくても始めやすい金融商品で、最低1口から購入することができます。
- ※ファンドによって1口の単価は異なります。
メリット3:運用を専門家に任せられる
投資信託の運用はファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が行いますので、個別の株式や債券を選んだり、株価の変動により銘柄を入れ替えるといった運用や取引を専門家に任せることができます。
投資家は、どの投資信託に投資するかを選ぶだけです。
投資信託の種類
投資信託には多くの商品がありますが、投資先の「資産」と「地域」の組み合わせで分類されます。例えば、主に国内の株式に投資するファンドは「国内株式型」と呼ばれます。
資産には、「株式」「債券」「不動産(リート)」の他、原油や金などのコモディティ(商品)などがあり、それらを合わせたバランスファンドもあります。投資資産のうち、株式や不動産(リート)は積極的なリターンが期待できる反面、値動きが大きい傾向があります。一方、債券は大きなリターンは期待できないものの値動きが安定しており、株式と異なる値動きをすることでも知られています。また、地域は大きく分けて「国内」「海外(先進国・新興国)」であり、海外の中でも特定の国や地域に投資する商品もあります。
投資信託の運用手法
投資信託の運用は、次の2つのスタイルがあります。
パッシブ型はベンチマークとする特定の市場指数(インデックス)に連動するように設計された投資信託です。ベンチマークを上回る成果は期待できないものの、信託報酬などのコストが低く抑えられているというメリットがあります。
代表的な株価指数には、国内株式ではTOPIXや日経225、米国株式ではS&P500やNYダウ工業株30種などがあります。
一方、アクティブ型は市場平均である指数(インデックス)を上回るリターンを目指した投資信託です。運用会社が独自の調査・分析により銘柄選定や運用を行っているため、インデックス型よりも信託報酬などのコストが高くなっています。
表は横スクロールできます
パッシブファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
運用目標 | 市場指数(インデックス)に連動する | 市場指数(インデックス)を上回る |
組入銘柄 | 市場指数と同様 | 独自の調査・分析により銘柄を選定 |
信託報酬などの手数料 | 低め | 高め |